テクノロジーと馬の祭りが融合する未来像
突如として現れる走路。行き交うビル群に近い場所で体感出来る、東京都内の馬の祭りが誇るユニークな空気だ。
公園を舞台に、駆け抜ける姿を間近に眺めながら、かつて訪れた北陸とは全然違うと強く感じた。
あちらでは土手を利用し、野趣あふれる起伏で疾走感を演出していたが、こちらは平坦な道を活かし、シンプルながら精緻に速度を引き立てる。列を揃える所作も異なる。
東北では長い旗を運ぶ人々が先導して荘厳さを加えたが、東京都内の馬の祭りではスタッフがセンサー式ゲートを瞬時に開閉、リズミカルに送り出す。
テクノロジーが生む静けさは、砂埃を抑える新素材マットと相まって、洗練された印象を受けるね。観客は階段状の席に腰掛け、ドライアイスから出るスモークが場を包む中、蹄音が窓ガラスに反響していた。
隣県で古式ゆかしさを味わった土の香りや、木製装具の手触りを思い出し「同じテーマでも背景が変わると、ここまで印象が違うか」と感嘆する。
東京都内の馬の祭りと地方、それぞれ魅力があり、旅を一層豊かにしてくれるはず。